葬儀に際して受け取った香典は、誰のもの?

こんにちは 越谷の税理士渡邉広恵です。

大切な家族が亡くなり、遺された家族がまず初めに直面するのが葬儀です。

葬儀の際に受取る「香典」は、誰のものだと思いますか?

香典は喪主のもの、です

香典は、亡くなった人の霊を供養するために贈られるもの、という考え方もありますが、一般的には “喪主” の負担を軽くするという相互扶助の精神に基づき、葬儀費用の一部に充ててもらうために贈られるもの、とされています。

よって香典は、葬儀の主催者である「喪主に対する贈与」とされます。相続財産にはなりません。

とはいえ、香典を贈ること自体は、広く世間一般的に行われていることですよね。そのようなものまで贈与税を課すのは、さすがに・・・馴染まないので、香典には贈与税も課税されないのです。

ちなみに、会社で社葬を行った場合に会社で受取る香典は、会社の利益となり、法人税が課税されます。

もし葬儀費用よりも、受け取った香典が多かったらどうなる?

香典を葬儀費用に充て、なお残りが生じた場合にはどうなるのでしょうか?

この場合は、喪主の裁量によることになります。今後の祭祀費用に充てることも、相続人の間で分配することも可能です。

しかし香典自体は相続財産ではないため、他の相続人が分配を求めることは認められていないのです。

香典返しと会葬お礼

葬儀に参列すると、お礼状とハンカチ、お茶、海苔、などを受け取ることがありますよね。

これは会葬お礼といって、葬儀に来ていただいた方へのお礼として一律に渡しているものです。

このようなものは、葬儀の一環としてかかる費用なので、相続税を計算する際の「葬式費用」として相続財産からマイナスすることができます。

一方香典返しは、相続税の計算では「葬式費用」とすることができないのは、聞いたことがあるかもしれません。これは、香典自体が相続財産ではないからです。

❁ 香典 ⇔ 香典返し ・・・相続財産でないから、葬式費用にも含まれない

❁ 葬儀に来てくれたお礼 ⇒ 会葬お礼 ・・・葬式費用に含まれる

簡単にイメージするとこんな感じです。

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